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階の十三 「ラーラ・ラーラ」

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ラーラ ラーラ 高い高い塔の上から飛び降りて 窓ガラスに映る空の青さを粉々に砕いて 見上げることでしか知れない空なんか忘れさせておくれ ラーラ ラーラ 深い深い夢の底まで潜り込んで 追いかけてくる罪悪感から僕だけを逃して 曇り空に残してきた声の出し方を覚えさせておくれ ラーラ ラーラ 長い長い山脈の先から顔を出して 穢れた息吹で雪肌に霊薬を塗り込んで 地殻へと染み込んだ電流を途絶えさせておくれ ラーラ ラーラ 巡り巡る血で血を洗う右手首を掴んで 照り返す感情に萎えさせられた産毛を並べて レースのカーテンの織り目の穴の数を学ばせておくれ ラーラ ラーラ 愛を謳わない愛をもつきみ 生を謳わない生をもつきみ 愛を謳う愛を産み捨てたきみ 生を謳う生を産み捨てたきみ ラーラ  ラーラ

ノート3

子どもたちは泣いているのか 子どもたちは泣いているのか 共感するものたちが、共感しないものにどれだけ冷酷であるか、君は知っていた。 動物を軽蔑しながら、動物に憧れている。それが人間性だ。 動物は動物を軽蔑するだろうか。 動物は動物に憧れるだろうか。 動物の肉を口にしないものは、動物を本当は憎んでいるのではあるまいか。 少なくとも己の動物性に対しての反抗心を感じる。 独りで死なない人間が果していたのだろうか。 これから先、いるのだろうか。 善と悪はわからない。 わかったふりをしている人はわかりやすい。 わかったことにしておかないとまずいだろう、 ということだけわかっているのが透けている。 自分を支えるために声が大きくなる。 正しいから声が大きいのではなく、 声を大きくすることで正しいと思い込みやすくする。

【青空文庫】著者別アクセスランキング(テキスト版 2021年)

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  前書き 著作権の消滅した作品などを閲覧できる 青空文庫 では、公開作品ファイルへの アクセスランキング を、上位500位まで掲載している。 このランキング表をもとに、著者別のアクセス数を集計、分析してみた。 読書や知人へのおススメ、考察や暇つぶしのきっかけとなれば幸いである。   読者のみなさんも、どんな作家がランキング上位に含まれるか、予想しながら読んでみてほしい 今回はダウンロードして閲覧する 「テキスト版」 の集計である。 ※前回は下記の記事で 「XHTML版」 の集計を行った。 https://yodak1.blogspot.com/2022/01/xhtml-2021.html ランキング上位の面々も異なるので、よろしければ結果の違いを比較して見てほしい。 前提条件 対象となるのはアクセスランキング上位500位までの作品であり、青空文庫すべての公開作品ではない。 今回集計対象としたのはダウンロードして閲覧するテキスト版( 2021年通年 )であり、XHTML版ランキング( 2021年通年 )は対象外。 共著の場合に、個別の著者のアクセス数に合算はしていない。 基本情報 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 テキスト版) の簡易集計 ①著者別アクセス上位10名 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 テキスト版) より集計 結果は「 夏目 漱石 」がトップとなった。 作品別ランキングでも、夏目 漱石の「 こころ 」が1位である。 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 テキスト版) より集計 円グラフで割合を確認してみると、500位までのアクセス総数の7割近くを、上位10名の著者が占めている。 特定の著者にアクセス人気が集中している傾向が見て取れた。 ②著者別ランキング内作品数上位10名 では、アクセスランキング500位以内の作品のうち、どの著者の作品が最も多くランクインしているのだろうか。 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 テキスト版) より集計 こちらは「 江戸川 乱歩 」がトップとなった。 「 ドイル アーサー・コナン 」もランクインしているため、ミステリー作品が人気なのだろうか? 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 テキスト版) より集計 こちらも円グラフにしてみると、上位10名の著作でランキン...

階の十二 「黒い服のバロネス」

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黒い黒い服のバロネス 黒い黒い服のバロネス いつも窓辺に独り立ち 帰らぬ児らの看取り待ち 幸薄かれと願を掛け 価値弱まれと難を避け 明けぬ夜道の父を呼ぶ 巻けぬ鎖は宙を跳ぶ 黒い黒い服のバロネス 黒い黒い服のバロネス 瘤より役に立たぬ空 飛ぶより飽きに待たぬ法螺 貰い物より残した鉄漿に 暗い眼指落とした畝に 胸の空くよな しゃっくりひとつ 爪を剥くよな 徳利荷物   黒い黒い服のバロネス 黒い黒い服のバロネス お疲れの夢をあの児らと見て お流れの宴をあの人と着て 射手座の空よりもなお高く高く どてらの裏よりもなお紅く紅く 斯くして女は涙の裏に 隠して鉋が阿弥陀の蔵に 黒い黒い服のバロネス 黒い黒い服のバロネス いつも窓辺に独り立ち 帰らぬ児らの看取り待ち 黒い黒い黒い黒い服のバロネス 黒い黒い黒い黒い服のバロネス

階の十一 「聖地ソイデメアへ」

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  もう無理です セニョーラ この先を登らなくてはならないのですか 老骨に鞭打ちここまで来ましたが この先にある廟に参りたかったですが 足が動きません セニョーラ こんな遠くから見ても見上げるほど高い塔 とても辿り着ける気がいたしません 尖塔の先の十字架 あれは私の墓標でしょうか 爪が割れそうです セニョーラ あの噴水の側で しばし腰を下ろすことは叶いませんか 考え直すのであれば今ではありませんか セニョーラ ああ 脚が棒のようであればまだ良かった 我が脚はただひたすらに重みです 重みに重みを担うことができましょうや? 我が口は我が脚の悲鳴を満足に代弁することも覚束ない なぜそんなに先に行ってしまうのですセニョーラ この老いぼれの願いをどうか聞き届けてください これまでの諦めと恐れと恥に相応しい慈悲をお恵みください セニョーラ セニョーラ お願いです その美しい青い壁画よりも 私の顔面は蒼白く その厳しい偉人の彫刻よりも 私の躰は頑なです 息も絶え絶えです セニョーラ なぜ樹々は あんなにも雄々しく茂っているのでしょう ただ立っているだけで 目を焼くように若々しい緑をちらつかせて 枯れてしまえ 早く折れてしまえ いや失礼 セニョーラ  向かい風が強くて倒れそうなのです この手の杖の先が 地面から離そうとしても離れないのです さりとて杖を離すことも 我が手には難しい 退廃したこの腕にはなおのこと 手を手放すことが 何よりも恐ろしい! セニョーラ あと少しが何よりも恐ろしいのです あと少しが本当に少しだった試しなど 少しもないのですよ より多いにせよ より少ないにせよ 終わりがないのです きりがないのです 私どもに許されていることなど なにもないのですが 許されるのであれば 終わりを自ら決めることです きりを自分でつけることです はじめから はじめないことです セニョーラ 登りつめて なにが見えましょうや 登りつめて なにが得られましょうや セニョーラ よしんば見えたところで 覚えてはおけないのです よしんば得たところで 捨てるしかないのです あるいは 捨てられるしか セニョーラ そんなに早くいかずとも 聖地は逃げません 聖廟は逃げません そんなに早くいっては 私の声が逃げてしまいますぞ 私のことばが 逃げてしまうのですから どうか どうか セニョーラ ああ い...

●詩とは何であるか? あるいは何でないのか? 

●詩とは何であるか? あるいは何でないのか? 四十四問答 詩は言葉というよりは沈黙である。 詩は答えというよりは問いかけである。 詩は本質というよりは周縁ないし境界である。 詩はおそらく目的でも手段でもない。 詩は定義というよりは不定であり、ともすれば不義である。 詩は「〜である」というよりは「〜でない」である。 詩は指針というよりは岐路である。 詩は道というよりは散歩である。 詩は「こころ」というよりは「からだ」である。 詩は平和というよりは闘争である。 詩は物語というよりは断章である。 詩とは師ではなく肢である。 詩とは我ではなく爾である。 詩は救いというよりは赦しである。 詩は創造でも破壊でもない。 詩は成功でも失敗でもない。 詩は大地ではなく裂け目である。 詩は踊りのない振りである。 詩は振りのない舞いである。 詩は舞いのない踊りである。 詩は楽園というよりは追放である。 詩は聖でも穢でもなくただ「別」や「浄」である。 詩は繋がりというよりは断絶である。 詩は内容というよりは外殻である。 詩は記憶というよりは忘却である。 詩は動というよりは態である。 詩は健康というよりは、病であり、傷であり、疲労であり、倦怠である。 詩は快というよりは怪または悔、ないし介である。 詩は経典というよりは読経の手前の咳払いである。 詩はギャロップというよりは、ピルーエットである。 詩は食事というよりは飢餓である。 詩は愛というよりは慈悲である。 詩は作品というよりは書きかけである。 詩は合一というよりは剥離である。

眠る前には起きていなければならなかった

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  俺は自分の希望を見失っているのか 一度も見たことのない俺の希望を 眠い 眠い ただ眠い 明日の夢を見る前に今日の夢を見た昨日を眠ったというのに 夢 希望 平和 愛 夢 希望 平和 愛 その中身を想像する手前で、ただその音をリフレインさせて、 その内容物を枯らして、涸らして、刈らす 夢 希望 平和 愛 夢 希望 平和 愛 文脈の裏、ないし間、ないし影、ないし外で仕込まれている「シ」 それに掴まれているのか、お前は ゆえに夢を夢見ず 希望を希望せず  平和と和平せず 愛を愛さない ゆえに夢は俺を夢見ない 希望は俺を希望しない 平和は俺と和平しない 愛は俺を愛さない 裏返してもコインはコイン 地球の果てへ進み続ければ いずれ出発地点へと帰ってくる 堂々巡り 目的と手段の往来 言葉遊びのための言葉遊び 賢い者は交通整理ができると己惚れている 愚か者の駐禁切符を得意げに切っているのだ 誰のものでもない道の上で 道ですらない道の中で 居眠り運転しながら居眠り運転を取り締まっている 浅い夢の中で深い夢を見る訓練を積めという者 深い夢の中で浅い夢を見るコツを掴めという者 信に値しない 心にも 真にも 神にも  進にも 芯にも 深にも  親にも 寝にも 身にも 人でなしの人 俺でなしの俺 シでなしのシ 眠りたいけれど眠る前に何かしなければならない 希望よ俺を見つけ給え あわよくば

【青空文庫】著者別アクセスランキング(XHTML版 2021年)

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  前書き 著作権の消滅した作品などを閲覧できる 青空文庫 では、 公開作品ファイルへの アクセスランキング を、上位500位まで掲載している。 このランキング表をもとに、著者別のアクセス数を集計、分析してみた。 読書や知人へのおススメ、考察や暇つぶしのきっかけとなれば幸いである。   読者のみなさんも、どんな作家がランキング上位に含まれるか、 予想しながら読んでみてほしい。 ※なお、作品別のアクセスランキング推移の詳細な分析は、 aozorablog さんを参照されたい。 前提条件 対象となるのはアクセスランキング上位500位までの作品であり、青空文庫すべての公開作品ではない。 今回集計対象としたのはXHTML版ランキング( 2021年通年 )であり、ダウンロードして閲覧するテキスト版( 2021年通年 )は対象外。 共著の場合に、個別の著者のアクセス数に合算はしていない。 基本情報 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 XHTML版 )の簡易集計 ①著者別アクセス上位10名 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 XHTML版) より集計 結果は2位と大差をつけて、「 宮沢 賢治 」がトップとなった。 ちなみに作品別ランキングでも、宮沢賢治の「 〔雨ニモマケズ〕 」がトップである。 想定よりも、著者によるアクセス数の差が出ているかもしれない。 下記、円グラフ(割合)を作成してみた。 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 XHTML版) より集計 500位までのアクセス総数の半数以上を、上位5名の著者で占めている。 特定の著者にアクセス人気が集中している傾向が見て取れた。 ②著者別ランキング内作品数上位10名 では、アクセスランキング500位以内の作品のうち、どの著者の作品が最も多くランクインしているのだろうか。 下記集計してみた。 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 XHTML版) より集計 こちらは「 芥川 竜之介 」がトップとなった。 アクセス数10位にはいなかった「 泉 鏡花 」、「 坂口 安吾 」もランクイン。 青空文庫 アクセスランキング(2021年通年 XHTML版) より集計 こちらも円グラフにしてみると、上位10名でほぼ半数を占めていることがわかる。 特定の著者の作品が、多くランクインしている傾向がみえた。...

美しい写真のような風景

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  美しい写真のような風景 キレイだ キレイで キレイにキレイ だから 何の気兼ねもなく 後ろめたさもなく キレイだと言ってしまえる景色だ 紹介しやすい景色だ  共有しやすい景色だ 拡散してしまいやすい景色だ 僕だけのものにするのはもったいないくらいキレイで 誰かに分け与えてみたいようなほどキレイで 誰のものにもならない景色だから ここで僕が見る必要すらない景色だ キレイすぎて 見上げる必要もなく 見回す必要もなく なにか慰めとなる徴を探す必要もない 下手な写真で切り取って  辱めてしまいたい景色だ 何の意味もない連射を繰り返し 何の思惑もない360度で回り込み 何の将来もないフラッシュで驚かす 余計な音を刷り込むために 録音ボタンを擦り 無駄な動きをつけ加えるために 録画ボタンを突き 汚らわしい心象を重ねるために つまらない詩を添えた キレイだ キレイで キレイに キレイだから

きっと物干し竿

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  母親が干して 父親が取り込んで 子どもが拝む 陽の光はいつも空に阻まれる そして風が吹く ―――――――――"鯉幟 " ――――――――― ――――――――― " 昔日 " ――――――――― ――――――――― " 主義 " ――――――――― ――――――――― " 椰子 " ――――――――― ――――――――― " 事実 " ――――――――― 母親が洗い 父親が畳んで 子どもが舐る 通り雨はいつも霰に許される そし て風が吹く ――――――――― " 災難 " ――――――――― ――――――――― " 計画 " ――――――――― ――――――――― " 絶叫 " ――――――――― ――――――――― " 見所 " ――――――――― ――――――――― " 階級 " ――――――――― 母親が仕立て 父親が裁ち 子どもが浮かぶ 雷鳴はいつも泥土に絆される そし て風が吹く ――――――――― " 歴史 " ――――――――― ――――――――― " 不足 " ――――――――― ――――――――― " 買物 " ――――――――― ――――――――― " 変種 " ――――――――― ――――――――― " 矛盾 " ――――――――― 母親が挟み 父親が落とし 子どもが歪む 月虹はいつも木枯しに冒される そし て風が吹く ――――――――― " 絵巻 " ――――――――― ――――――――― " 才知 " ――――――――― ――――――――― " 側面 " ――――――――― ――――――――― " 容姿 " ――――――――― ――――――――― " 逸話 " ――――――――― そして風が吹く ――――――――― " 国父 " ――――――――― ――――――――― " 母屋 " ――――――――― ――...