彼と彼女は疲れたのかも
彼女は星を食べるのか? 夜空に白く細長い指を這わせる。 流れ星を摘み上げて口許へ運ぶ。 星は消える。 重力だけが彼女の体内に沈殿する。 闇がひとつ増える。 彼女は星を食べるのか? 君は問をひとつ空に浮かべる。 夜空に白く細長い指は届くのか? 流れ星に指先は追いつくのか? 目のない彼女の顔は君を見つめるのか? 三つの中から選びなさい。 三度繰り返しなさい。 行って帰ってきなさい。 そしてまた行き、二度と戻らないように。 彼女の指が君の瞼の裏を撫でる。 夜が明ける。 浮力だけが君の支えとなる。 星がひとつ増える。 黄昏が君の中に沈殿する。 君の指は彼女には届かない。 流れ星は夜の輪郭を運ぶ。 君の指はそのままに。 彼女の肚の中へ。