価値価値山


たぬきは思った
安く買い叩かれている
とはいえ、高く買いかぶられたところで
果たしてなんの価値があるだろう
あんな老いぼれたちなぞに

うさぎは言った
価値の基盤も、時間、労力、才気を変換可能なものとして扱う
単なる約束事だ
その舟に、わたしたちが自ら乗っていることは疑うべくもない
だけれど その状態を良しとするかどうかは別問題だ

たぬきは考えた
他人にとっての価値はどうでもいい
自分にとっての価値のほうが重要だ
価値なんてそんなもんだ
どれだけ煮詰めたところで、すべてが無価値だ

うさぎは手を動かした
価値を見出すものの目が潰れているのであれば
彼らの口からのでまかせに信を置くのは馬鹿らしい
それでも耳で価値をはかろうとするのは
自らの目に信が置けないからか
単に面倒だからか

うさぎさん
かちかちと 音が聞こえるよ

たぬきさん
それは あなたの耳の中で聞こえる音だよ

うさぎさん
ぶくぶくと 舟が沈んでいくよ

たぬきさん
大丈夫 ここでわたしが見ているよ

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