睡り

男は眠る
地に突き立てられた刺又に 
体躯を支えられて
皮膚は垂れ下がり 
瞼は垂れ下がり
一枚の襤褸を纏わせるように
その背に掛けられて 

男は眠る

皺を寄せる額もないが
夢を見る大脳もないが
苦悶の表情を浮かべ
唇を半開きに固定され 
男は眠る

あの人は君を見ていない

あの町に君は帰れない

あの舟が君を乗せることはない

あの犬が君を待つことはない

まだ眠るような時刻ではない

その証拠に

月があんなに高く上っている

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