能転気に照り返す石畳の上の陽炎の向う側に

画像 石畳 女 画像 詩


単眼の少女たちが追い羽根をしている

真っ黒な羽子板で 真っ白な羽根を

落とさないように 落とさないように

彼女らはみな おかっぱ頭だが

見上げるほど背丈の高い娘もいれば

小粒のような形の娘もいる

彼女らの合間を飛び交う羽根を目で追いながら

首をがくん がくんと揺らす

彼女らは 一人として 追い羽根を愉しんではいないが

僕の愚謬を笑っている 

仲良く 音頭を取って 

婿取りじゃ 婿取りじゃ

湿気をたっぷりと含んだふくよかな唇の奥から

しゃがれた老婆の声がする

いや増していく彼女らの謡いに 耳を澄ませながら

喉をごくり ごくりと鳴らす

彼女らはみな細く美しい指をしているが

薬指だけが欠けている

その手で 羽子板を掴みながら

いつまでも 羽根を打ち合わせ続けている

落とさないように 落とさないように

僕は両の目を 瞬かせながら

彼女らの影から 眼指を逸らしている


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