正規の夢

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いついつまでも どこどこまでも
始まらない夢 続かない夢
目を閉じる前に 落ちていくはずだった
意識だけが目覚め 躰が道草を吐き出している

わたしに見られる夢は可哀想だ
わたしに忘れられた夢は幸いだ

水玉の提督は 愚鈍な将軍に跪き
爪先から踵の隅々まで 残さず舐めて呑み込んだ
王妃の破談を喜ぶ従者は 紙の大便者であった
目腐れな民草を 今か今かと待ち望んでいる

わたしに見られる夢は可哀想だ
わたしに忘れられた夢は幸いだ

積み重なった小波の空き箱
ひしゃげた河童の内包装
痛し痒し こころからだ
房戸をすり抜けてくる悪い風

わたしに見られる夢は可哀想だ
わたしに忘れられた夢は幸いだ

例外なく見送られた海馬の処理
臭素に染められた気圧配置
寝違えた首に礼を尽くした北枕
そんな傾向に沿って 撫で下ろすうねり

わたしに見られる夢は可哀想だ
わたしに忘れられた夢は幸いだ


©依田稽一、Keiichi Yoda

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