金盞花
一輪の花を手折った少女が立っていた。
彼女は骸骨の仮面をかぶって、首を傾げてこちらを見ている。
骸骨の歯並びはガタガタで、不揃いな金歯があるせいで、口元に笑みが浮かんでいるように見える。
けれど彼女は笑わない。
笑うことを知る前に、いってしまったのだから。
足元には虎の首が落ちている。
口元には血が滴り、舌がだらんと垂れている。
恐ろしい魔除けの面だ。
幼子ならば泣いただろうが、彼女は声を上げない。
泣くことすらなく、いってしまったのだから。
小さな手に握られてるのは金盞花。
それはわたしが供えるべきだったもの。
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